華藤 えれな
価格:¥ 898 (Book)
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おすすめ度 ★★★★★
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★★★★★ 2007-07-13 一級の切な系です☆
上下2巻のドクターものです。
華藤さんの独特の艶と悲哀さが際立つドラマチックな展開で、
私の目頭を何度も熱くさせました。
NY帰りの敏腕外科医・樋口のコネを利用して渡米する事で、
長山副医院長との爛れた関係から逃れようとした水斗。
この亡き父の親友だった長山との関係がいかに水斗を追い詰めていたかを、
架空のウィルスを使って実に効果的に読み手に伝えています。
樋口の天才的な技術に心酔する内に、彼自身にも惹かれていた水斗は、
長山の執着から生きる望みを絶たれて自殺を計るのですが、
実はここからこの物語の本章がスタートするといっていいでしょう。
舞台を北海道に移し、全ての記憶を失い、幼児退行してしまった水斗を育てる樋口。
幼い水斗を通してその心の奥で冬眠している大人の水斗を目覚めさせようと、
手探りする樋口もまた焦燥を抱えて行き‥‥‥その様子がリアルで胸を打ちます。
樹木や湖面などの状景描写と水斗の心理がシンクロしていて、
非常に印象深い切な系の一級品です♪
★★★★★ 2006-10-28 全う
非常に志のたかい作品でございます。
しがらみに捕われ追い詰められついに破綻をきたした美青年医師水斗の魂を、天才外科医樋口は救うことができるのでしょうか。人間が人間を救うことができるのでしょうか。
生とか死とか愛憎とか精神の格闘とか、今更これほどストレートに描かれると、もうひれ伏すばかりです。
これこそがBLなんだよ!眩しいくらい純粋で、痛いほど一途で、世界の美しさを信じてる。
これを読んで恥ずかしさを覚えてしまう私はきっと汚れているんだわ。
苦悩しつつも前向きな樋口医師、すてきです。お友達の海堂さんも要チェック!絡むのはたった数ページですが、大人の男の友情に萌えました。
★★★★★ 2006-10-13 衝撃的!
高慢で血の通わない嫌な奴かと思いきや、耐えることのみを生きる術とし、
半ば脅迫とも取れる圧力に押し潰されながらも「いつかは」と、そのしがらみから逃れる事を夢見る水斗。
救いの手(樋口)が己の前に現れた時、強引にでも気に入られるよう努力をするが、想いは呆気なく崩れてしまう。
ひどい誤解と樋口にだけは知られたくないおぞましい現実を目撃されて、全てを諦め身を躍らせる・・・。
驚いた・・・そして、思わずうるうるした。痛くて、辛くて、悲しかった。
どんな事にも負けず、何事も耐えるように生きてきた水斗だったのに、
幸か不幸か樋口と出会った事でやっと人間らしい感情を持った筈が、結果は悪い方へ向かってしまった。
そして話は一転する。
生まれたての赤ん坊のような水斗を世話する樋口であるが、
何も出来ない不甲斐ない自分との葛藤、日々振り回され募らせていく苛々、
何度言っても理解をしない相手に対し、爆発しそうになる感情と戦いながらその日を送る。
分かっているはずなのに水斗の世界に引き込まれ、樋口が危うく正気を失いかける様は少々怖い。
見た「夢」を樋口に語る水斗の気持ち、夢の中の「あのひと」に対する嫉妬も辛い。
ストーリーは流れるように展開して行き、時折 涙ぐみながらの読書となった○
水斗がキケンに吸い寄せられる 危うい場面で終わっています、下巻 期待しお待ちします。
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