華藤 えれな
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おすすめ度 ★★★★★
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★★★★★ 2006-04-16 愛憎渦巻く古都京都…みたいな。。
「今回は…(中略)ほの暗い雰囲気の愛憎劇を目指しました」と著者が言うように昼メロチックなお話でした。私は個人的に日本の伝統芸能っていい意味でも悪い意味でも暗くて閉じこもった雰囲気を持っていると思っていたんですけど、このお話はまさにそんな感じでした。本は二部構成で、前半は綺麗系受の左近と性格分裂気味の執着年下攻(笑)の橘平の再会から想いを通じ合わせるまで、後半は左近が橘平のためについた小さな嘘からすれ違い、愛が憎しみになり…というドロドロした展開になります。左近は薄幸な人で、良かれと本人が思ってやっていることが見事に空回りで余計に自分の立場が悪くなる、可哀相な方。攻は受けより十歳ほど年下ですけど、その激しさで主人公を惑わせ振り回す怖い方。受けを愛するあまりに発する言葉はかなり問題発言。「おれが殺してあげます」「おれが定家のように閉じ込めたいのはあなたです」「おれを裏切ったら呪い殺します」…普通言うか!?でも主人公に甘えたりするところはやっぱり年下っぽくてかわいらしい。この話でムカつくと言えば、宗家(攻の父)と受の長兄!!お前らの都合に二人を巻き込むなぁ!と読みながら叫びたくなりました。600年続いた血を絶やすことへの罪とか、愛し合うが故に背負うことはたくさんあるけれど、どうか二人には幸せになってもらいたいと願って止みません。和風な世界とほの暗い雰囲気と二人の禁断愛ぶりを評価して★5つ!(笑)ところで、着物ってどこか色気を感じますよね??
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