樹生 かなめ
価格:¥ 609 (Book)
(参考価格:
発売日:
おすすめ度 ★★★☆☆
売り上げランキング:108,727
★★★☆☆ 2004-11-16 殿
まさにタイトル通り「不条理な男」に振り回される1冊でした。
世が世ならお殿様、と呼ばれてもおかしくないほどの家庭に育ち
お妾さんを何人もかかえる父親と、それに耐えるお嬢様育ちの母親に育てられた邦衛は、究極のマイペース男。
そんな邦衛に振り回される、幼馴染みの秋人との恋愛(?)物語のはず…が。
マイペースもここまでくると、意思の疎通が一切図れないのでちっともラブにはなりません。
たぶん、家庭環境のトラウマで、愛情と執着がこんがらがってる邦衛と
幼少の頃にインプリント(刷り込み)されてしまった秋人。
この両者の情熱は実は愛情ではないんじゃないのか?と、根本を覆すような疑問がなきにしもあらず。
樹生さんの描く攻は、マイペースで自己中でちっとも優しくない、というのが常ですが
根底は愛情の裏返しなので、なんとなく最後には仕方ないか、と許されてしまうキャラな気がします。
しかし本当にこんな人物がいたら、本気でイヤ、と思うくらい今回はありえない不条理さでした。
日本人同士なのに、言葉が通じないってツライね…と、秋人の肩を叩きたくなったのは私だけではあるまい。
珍しくエッチシーンもなく終わりましたが、最後の最後で開き直った秋人が
ほんの少しだけ邦衛を振り回す姿を見て、やや溜飲が下がりました。
それにしても幼い頃から一緒にいるからといって、こんな男を好きになる秋人の趣味は悪すぎでしょう…。
>>もっと詳しく見る