六青 みつみ
幻冬舎コミックス 刊
発売日 2004-08-28
心の痛みと葛藤 2004-09-03
対人恐怖症で特に大柄な男性が苦手な佳人は、カウンセラーをしている兄の手伝いをしながら
自分が育てる花木が美しい庭の中だけで暮らしていた。
心に深い傷を追い、頑なに人と接することを拒絶していた佳人のもとに、
ある日魅力的な男性が現れる。
一目で心惹かれ、それを自覚する佳人だが、その男もなぜか最初から佳人に興味がありそうで…?過去の辛すぎる事件によって、記憶の一部を自ら封印してしまった佳人。
魅力的な男性・藤堂に惹かれつつ、なぜか愛しい気持ちと逃げ出したい気持ちが同居する。とにかく佳人の心の傷が深くて悲しくて。
藤堂への想いは比較的早い段階で通じるのだけれど、
本当に最後の最後まで、彼らの気持ちは実はすれ違っている。心は確かに愛しいと想っているのに、身体が拒絶してしまう。
受け入れているはずなのに、どこかで決して許すことが出来ない。
あまりにも酷い過去の仕打ちは、佳人の心を簡単には変えさせてくれなかった。ご都合主義的なストーリー展開の多いボーイズラブの中で、
ここまで頑なにしなくても…と思ってしまうくらい佳人の心は思うように動かない。けれどそんなもどかしさが、切なさを増幅させているのも事実。
出会ってから恋に落ち、二人の思いが通じるまで、という単純な物語のはずなのに、
決して単調にならず、ハラハラしながら2人の関係を見守ってしまいます。
願わくば、本当に想いの通じ合った2人のラブラブな姿をもっとたくさん読みたかった。あまりにも痛々しい2人ばかりだったので、そこだけが残念です。
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