★☆☆☆☆ 2007-06-02 期待はずれ
久しぶりに出た新刊だったので、期待していたのだが、ものすごく期待はずれだった。
まず受けが鈍すぎる。ねらわれていることに気付いてないのはまだいいが、強姦されかけたことに気付いてないというのは、流石にどうかと思う。
二つ目に、その受けキャラが仕事をおろそかにしている点。認められたいと思うなら、私情は会社に持ち込むべきではない。その相手が近くにいるならなおのこと。
私には、わがままな子どもだとしか思えない。
前三作の方が私は好きですね。
この人に現代物は合わないと思います。
★★★★★ 2007-06-02 小学生。
初めて読ませて頂いた作家さんです。正直、意味深なタイトルと、イラストの美麗さに惚れて買いました。
しかし、読み始めたら面白い。
最初は、急遽、親族会社の社長に就く事になった受けが、自分の秘書になる男が幼なじみで、
しかも学生時代一度も勝てなかった男だと知り……というエピソードだったので、「ありがちだ……」と思いました。
自分が社長になってもおかしくない程の攻めが、仕事をほとんど一人でこなしてしまい、
受けをお飾りの社長のように扱うのにプライドの高い受けが我慢出来ず、自ら進んで仕事をこなそうとする。
その態度に攻めは不機嫌さ全開で、どうせ昔から嫌われているんだ、と自覚していた受けは尚一層反発するのですが、
ある時、出張先から帰る途中、悪天候のために新幹線がとまってしまい、近場のホテルに止まる事になり
ざざ降りの雨の中を走ってホテルについたは良いものの、風邪を引いてしまった秘書は朦朧とした意識のまま受けを無理矢理抱く。
誰かと間違えて────。
翌朝、昨夜のことが記憶にないのか、普段と変わらない攻めに、受けは何事もなかったように振る舞うことに決めた。
で、ここからが見所なんでちょっと飛ばしますが。
ある時、会社を揺るがすような事件が起こってしまう。自分に責任があると受けは負い目を感じるが、そんな彼を攻めは……。
企業内の仕事に関することも、社長や秘書に対する社員の態度も、二人の関係のこともバランス良く書かれているので、
とても読みやすかったです。それに構成が上手い。
そして何よりキャラクターに魅力があります。特に攻めはイイ性格してますよ。
分かりやすく言えば、小学生。好きな子ほどちょっかいを出してイジメちゃう小学生。
受け側からしてみれば嫌われてる、だからイジメられてる、としか感じられないのでしょうが、
読者からしてみれば、「ああ、こういう子は必ずクラスにひとりはいたな」という感じで。
ただ、大人で、無駄に頭が良いせいで、狡猾で手に負えないタイプです。狙われたら逃げられないと思います。
ラストはハッピーエンドですが、攻めに良いように翻弄されて、これからも苦労するんだろうな、と思っていたら
最後の最後で一発一言食らわせて、これは案外かかあ天下になるかも……と思わせる受けの性格も中々のものでした。
他の作品も読んでみたいな、と思えるような、買って良かったと思える作品でした。
補足ですがタイトルにある青い薔薇は作中には出て来ません。
私の知ってるブルーローズの花言葉では「不可能」ということなんですが、「内容とそぐわないなあ」と思って調べてみたら
「神の祝福」や「奇跡」という意味もあるそうです。「なるほど!」と思いました。
その意味は本書のラストあたりで、多分みなさんにも納得して頂けると思います。
★★★★☆ 2007-05-19 仕事の出来る男達がカッコイイです
社長の絢斗(受)の真っ直ぐな性格と仕事への一生懸命さ、秘書の櫻井(攻)の仕事が出来て一見クールなくせ
絢斗の周囲人物への嫉妬ぶりが可愛くてとても好感が持てました。
絢斗は櫻井を警戒しつつも、櫻井の本心がわからないままある出来事がきっかけで肉体関係を重ねてしまい、
身体の快楽を覚えていきます。
けれどもお互いの心の距離は縮まらず、仕事も絡んできて、戸惑ったり切なさを感じたりします。
この作品はエロ度が高めでそれも良かったのですが、ストーリーも主人公達の気持ちも大切にしていて、面白かったです。
烏科先生の作品の中で一番のお気に入りになりました。
ラストも二人の仕事が出来る男前(?)なところが表現されていて素敵でした。
作品は全体的に星5つだと思うのですが、4つにした理由はこれまで烏科先生の作品を読んできた者としてストーリーの流れに
もっとバリエーションがほしいかったな、と思ったからです。
でも秀作には違いありません。仕事に一生懸命取り組む男はカッコイイなと改めて思わされました。
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